揉んで、揉んで、捏ね繰り回せ

 

東濃地方で良く使われる言葉で「だもんで」という言葉がある。

「~だから、~なので」という理由を表す、接尾語として使われる。また、接頭語として「ほうやもんで・・・」(それだから・・・)という使いかたもされる。

 

ほうやもんで、皆様「もんで、もんで」とあちらこちらから「もんで」コールが聴こえてくるのである。

 

久しぶりに聞くと、「はて、何を揉むのかしらん」と思わせられることも多々ある。

 

昨今の私の研究は、この「もんで」の語源である。

仮説を2つたてることによってこの謎を解き明かさんと日々の研鑽、惜しみなく、ここ数日、不眠症になってしまうくらいだ。

 

仮説1:「揉んで」説

 

東濃地方で有名な産業といえば、陶磁器産業に他ならないだろう。粘土を素材にこの東濃地方から瀬戸にかけてありとあらゆる陶磁器が作られてきた。さて、この粘土、そのままでは使うことが出来ず、まずは粘土を揉むところから始まるのである。なるほど、この「~だもんで」とは文法的に「~だ」と助動詞「だ」の終止形で断定の意味を持たせ、「もん」とは「揉む」という助動詞終止形、さらには「で」と接続助詞「で」を付属させ「揉む」にかかる修飾語を用い、原因、理由を意味させているのではないだろうか。

整理しよう

 

だ・・・助動詞、終止形、意味(断定)

揉む(もむ)・・・助動詞、終止形、意味(物事の始まりを表す)

で・・・接続助詞、意味(原因、理由)

 

というのが、かなり有力な説である。

 

仮説2:ダマンド説

 

ダマンドとはフランス語で「アーモンドの」という意味がある。フランス菓子に使われるcrème d'amande(クレーム・ダ・マンド)とはアーモンドクリームを意味する。

さて、これが何の関係があって、東濃地方の「~だもんで」と結びつくのか。私は東濃地方でも多治見市という場所に注目した。ここには有名な洋菓子店が軒を連ねているのをご存知だろうか。シェ・シバタにはじまり、ラメールブランシェ、老舗サンドールと数多くの有名店が存在する。なるほど、東濃がフランスに通じている部分はある。少し東をみれば、恵那市がある。ここには和菓子屋老舗川上屋がある。この川上屋であるが、いまではチェーン店化をし、洋菓子まで扱っているのだ。私は仮説2に関して、ここに重要なポイントがある気がしてならないのである。

江戸時代から広く貿易を行っていたこともあり、おそらく、長崎・出島との通商もあったのではないかと考えている。その時に「ダマンド」を読み違えて「ダモンデ」になってしまったのではないだろうか。

 

 

以上のように、「~だもんで」の語源はどこにあるのかということに関してです。