6月10日 希代のさんま
昔は確か陶磁資料館であったが、いつしか陶磁美術館になっていた。
といっても、もう何度訪れたかわからないほど来ている。
博物学的展示がもっぱらだが、現代陶芸の分野も数多く捕集しているようで見ごたえがある。
常設も陶磁器に関してはおなか一杯になるくらい。
今回は東南アジア陶器の展示。
もっぱら象のパレードで、ゾウというモチーフに当時のアジア人が何を感じていたのか、そんなことに思いふけりながらみるのもまた楽しい。
最大の謎は香合である。
盒子(合子)とも呼ばれたりするが、茶の世界ではお香を入れる容器として使われている。
ただ、今回の展示品はその小ささが極まり、何用なのか、もはや技術を競い合ったのかわからなかった。
ただ今回の展示に限らず博物学的展示では、一般的に「わかったこと」が解説に書かれている。
たまには「わからないこと」も書いてほしい。
そこに神秘性やエスプリが生まれると思うし、それこそが博物学的展示の醍醐味でもあるように思う。
なんで学芸員やってるの?
っていう部分を僕は観たい。