ほろびのうた

この国は遅かれ早かれ滅びるのでしょう。


所得の高い人たちは、接待や会議という名の下で、やれ何処だかのフレンチだの中華だのと食べ歩く。だが、それを美味いと感じるのは最初だけである。

名誉欲の強い人たちは、市議会議員だ、国会議員だ、役員だ、社長だ、公務員だ、教授だなんだかんだと肩書きを集めて回る。それが人生において何の意味もないことを知るのは、遅かれ早かれその空しさ感じることだろう。それが死んだ後であろうと。

物に依存する人たちは、ブランド物を買いあさる。このバックはどこので、この財布はあそこの、パテックだの、フィリップだのと、いいんだか、悪いんだか知らずに下品にもその品々をこれ見よがしに見せ付ける。それが本当に自分が欲しいものだか知らないが、彼らは買っている。そのとき人は物だ。

ただの広告塔でしかない。


こんな風に私達はありとあらゆる快楽に浸り、食、物、性を満たし尽くした。資本主義ってのが、こうした欲を満たすためだけにある経済システムならば、世の中を支配している人たちは現状を維持しようとするだろう。なぜ若者が安保法案を破棄させようとするのか。それはきっと彼ら若者が今度は俺達がその甘い汁を吸う頃だ、さっさと立場を渡せ、それをなぜ変えようとするんだ、と叫んでいるのです。俺達が甘い汁を吸えなくなるじゃないかと。国会の中にいるジジイ、ババァは逆に変革を起こそうとしているんですね。今までとは立場が逆転してしまいました。

そうです。国会のジジイたちの仕事は変革を起こすことなのです。後先考えず、とりあえず変えていかなければならない。そうゆう仕事なんです。でも、それはこの国の滅亡を早めているだけなんです。逆に、国会の前で叫んでいる若者はその滅亡をもうちょっと遅らせてもいいじゃないかと叫んでいるのです。

どちらもやっていることはそんなに変わらないのです。
だから、私はシールズだとか、高校生の運動家が嫌いなのです。

根本的に変えるには、資産のある人、名誉のある人、こうゆう人たちが、持ってる物全部放棄しないと変われないんです。でも、そんなこと彼らはするわけないんです。

あなた自分の資産放棄できますか?

だから、滅亡を食い止めることなんて不可能なのです。

未来のある若者は結局こうして滅びを遅めても、この若者の中から資産のある人、名誉のある人が生まれてくるのです。これは停まりません。彼らは所詮イエスマンに過ぎないのです。

イエスマンの量産によって世の中は、後先考えない変革を生み出していくのです。下手な鉄砲もなんとかといいますが、国家の運営に下手ではダメなのです。

だから滅ぶのです。

国会の前で叫んでいる奴らも国会の中にいる奴らも大差はありません。

もしかしたら純粋なピエロが何人かいるのでしょう。
それもほんのすこし滅ぶのを緩めているだけです。

大学にはもはや知は無く。
国会にも威無し。
オリンピックに和もなく。
緩やかに滅亡が近づいている。

もう誰にも止められない。

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よもやまの

こぞねのやよう

はくせつの

うみとまみえる

かんのこうとく

はふのごとく

きやまのねねの

おくにふけうる

このこのこころ

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滅びの詩が終わる頃、それもいつだかわからない。

そんな長い長い先の話かもしれない。

そのとき、私達に守るべきものを守る余力は残っているのだろうか。