現代の賢者
最近では街に出ると、傘がぶつかっただけでナイフで刺されるそうです。
怖いです。命が幾つあっても足りないとはこの事なのでしょう。
確かに、車で走れば、私が幾ら注意を払っても、不可抗力ということがありまして、どこかのバカにぶつけられるということも無きにしもあらず...
山に入れば、熊に猪、蜂や蝮に叉鬼・・・
海に行けば、海月に鮫、毒貝、海蛇、人魚・・・
川に行けば、モーターボートで撥ねられ、カミツキガメに指を喰われ、ピラルクに骨までしゃぶられる始末・・・
池袋では、路上を歩いているだけでトリップ中の運転手が乗った車に轢かれること二度三度の話ではない。
安全と呼ばれるところは、もう何処にもないのですね。
と、思ったらありました。
それはマイルーム。
マイルームには「ひきこもり」と呼ばれる種族が生息しています。
しかし、なぜひきこもるのだろう、と私は常々考えていました。それは現代の外の様子を鑑みれば、実はもっとも安全な場所だから、という点につきるのではないでしょうか。外は危険なのです。じゃあ身を守るために一番安全なマイルームから出なければいいじゃないか、という「悟り」をひらいた種族なのです。
現代の賢者はマイルームにいた。
さあ、君もひきこもりになろう。