朝霞市女子中学生誘拐事件被疑者卒業取消しの違法性について


大学卒業取消しは不当ではないか

寺内被疑者は大学在籍中での逮捕です。まだ裁判前なので「推定無罪」という余地があります。
なので、以下の校則は「行った」という事実確認が未だされていないので、取消しは不当な判断かと思われます。

千葉大学校則
第3条(停学の基準)二 学内又は学外において重大な非違行為を行った場合
第4条(放学の基準)四 学内又は学外において重大な非違行為を行った場合で、特に悪質と判断された場合

とありますが、校則が法的根拠を持っているのかどうかという部分も司法の裁量が問われる部分です。

以上から
今回の場合、「卒業を留保する」という表現が妥当であると考えます。
しかし、裁判が行われるのは大学在籍期間を過ぎるため、「取消し」は不当であると思われます。
また「取消し」を行った場合、民法上の契約違反となり賠償責任が大学に発生すると思われます。

                                                      • -

今回の千葉大学の行為は、大学の「知」を貶める行為でもあります。

・裁判前の被疑者を犯罪者扱いをし、司法の権限を無効化してしまったこと。
・道徳的観念と法的観念を混同したこと
法治国家という概念を捨てたこと
・世間体という中で、自らのプライドを守るためだけの保身をしたこと
・犯罪者には更正の余地はないと切り捨てたこと


大学とは、それらを考えるために存在するのではないのか。

職業訓練校と大学は違います。
大学における「知」とは何か、そこから考えはじめなければいけないことに今更ながら閉口させられます。