追悼:表現の自由

とあるデッサン塾の教科書を作っていてまさかの法律にぶつかった。

もちろんヌードあり、そのデッサンもあり。
さあ印刷だ、と思って入稿してみれば、内容が不適切なため印刷できません。
え、去年できたじゃない、と言ったものの、性器の写っているもの、描かれている物はダメです、とのこと。今年から社内規制を厳しくしました、とも言われる。

もういい、ほかの印刷会社だ、と思い、まずは電話で確認。ウチではポルノ、アートに関わらず性器の写っているものはお断りしています。性器が映っていなければよいのですが・・・
あっちも、こっちも・・・
なんで尻がよくて、前はあかんのや。わけがわからない。やっと一件取り合ってもらえた、少しは冷静になれたので、ついでに、一つ訊いてみた。「どこも断られるんですが、何か印刷業界全体で規制が厳しくなっているんですか?」と。「そうですね、来年から新たに法改正があるみたいでして、それで各社前掛けて自主規制をしているんだと思います。ウチはまだ新たに設けていませんので」法改正・・・アートもポルノもなんでもかんでも、性器が写っていれば、もうダメのようです。思い出すこと色々、ろくでなし子3Dデータ配布裁判、大島渚愛のコリーダ」裁判、チャタレー裁判では猥褻の3要素というものが決まりはしたけれど、たいへん曖昧なのです。
どんな法改正か知らないけれど、なにかこう、真綿で首を絞められるような気持ちになり、どこに向けたらいいのかわからない怒りが沸々と湧いてきたのです。ちょっとした仕事の案件から、なにかこの国が得体の知れない方向へ向かっているような気もして、怒りも感じつつ、恐ろしさも感じるのです。
ろくでなし子さんはアメリカに行ってしまったようですし・・・