正しいお盆の過ごし方

正しいお盆の過ごし方

 

皆様、いかがお過ごしでしょうか。今回は正しいお盆の過ごし方について書こうと思います。また、諸外国の皆様にもわかりやすいように、日本のお盆について理解していただければ幸いです。

 

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「お盆(obon)」とは日本人にとって欠かせない年中行事の一つです。多くの日本人は8月中旬に長期休暇をとります。それを「お盆休み」といいます。この時期、日本人は遠方の高齢者に会いに行きます。それは日本が儒教の国でもあるからです。西暦500年頃、現在韓国である百済より論語がもたらされ、その影響もあり、高齢者を敬う習慣があります。例えば、日本の電車には「優先席」というものがあります。これは高齢者が座るための座席です。どんなに電車が混んでいてもこの座席は高齢者のために空けられています。空いているからといって座ってしまうと日本人に睨まれたり、座席に座っている高齢者に悪態をつかれるので注意しましょう。このように日本人は高齢者を「仏」と同一視する習慣があります。そのためこのお盆の時期は高齢者を敬う一大行事となっています。

 

お盆にはもう一つ重要な事があります。それは「旅」です。旅とは、みなさんが思うような余暇、娯楽といったエンターテイメント性をもったものではありません。仏教でいうところの「功徳」という意味を持っています。それは苦行を通して真理を得るという大変崇高な行為です。例えば、「四国四十八ヶ所めぐり」という言葉をご存知でしょうか。これは四国という巨大な島を徒歩で一周するという大変過酷な旅です。しかし、この旅は現代もなお多くの日本人によって続けられています。これも仏教でいう苦行であり功徳であるとされています。また、悪いことをしてもこの苦行を行えば無かったことになると言われており、多くの政治家がこの旅を行っています。 お盆の時期の旅、すなわち苦行は現代になって変わってきました。それは交通機関が発達したため、決して徒歩で行われることはない、ということです。

 

では何が苦行なのでしょうか。

 

お盆の時期になるとありとあらゆる交通機関は混雑します。高速道路、新幹線、飛行機は混雑を極めています。高速道路は30Km以上の渋滞を起こしたり、新幹線では乗車率200%、空港の搭乗口には長蛇の列が発生します。人々の顔は険しくなり、それはそれは大変つらいものだといいます。このように現代の旅はいくら交通機関が発達したとは言え、苦しいものに変わりはありません。これこそが苦行です。この苦行をされている方を見かけたときはそっと会釈をして通りすぎましょう。見分け方は大きなキャリーバッグをもった人がそうです。

 

では、訪問先の高齢者の家では何が行われているのでしょうか。 多くの高齢者の家では苦行を終えた人々を出迎える準備をしています。それは無事に苦行を終えたことを祝うためです。実際にこの旅で毎年多くの人が命を落としています。高齢者の家では「ゴチソウ」と呼ばれる料理を準備します。それは地方によって異なります。東濃地方ではデンブと呼ばれるもの(魚肉をコルチゾールで着色し砂糖を加え甘く炊いたもの)を酢飯にのせたものや、アジゴハン(鶏肉や人参、チクワ、あげなどを加えて炊いたご飯)などで旅人をもてなします。この儀式は三日三晩昼夜を問わず続けられます。また近親者のみで行われるため、部外者の侵入を拒みます。観光客の方は間違っても見学してはいけません。

 

さて、このお盆の時期に触れてはいけないものがあります。それは水です。日本では水と霊魂が混合しやすいと信じられています。それを「オカルト」とよびます。日本には多くのオカルト研究者がおり、彼らによって日々、仮説と実験が繰り返されています。お盆の時期に水の事故が増えることはこのことと関係があります。「お盆」の正式名称は「盂蘭盆(urabon)」といいます。これは古代イラン語であるアヴェスター語「urubon」に由来するといいます。このurubonとは霊魂という意味があります。つまり、お盆の時期には多くの霊魂が我々の住む世界に現れるということです。この霊魂は水との親和性があり、水に近づく人間を捕らえるということなんですね。 ですが、この霊魂と水の関係を用いて旅以上の苦行を行う者がいます。

この時期、盂蘭盆原理主義者と呼ばれる一派の日本人は大型プール施設に足を運びます。これは霊魂を用いて行う最も困難を極める修行の一つです。この修行はインド、ガンジス川で行われる沐浴に由来します。日本が宗教のサラダボールと呼ばれる理由の一つでもあります。多くの人が訪れるプールは人で埋まります。これは旅の苦行に近いものがあります。プールの水は多くの人の排泄する尿や便で汚染されています。これもガンジス川の環境を作り出すためです。必要悪なんですね。また、プールでは子供の恐ろしい悲鳴があちらこちらで轟いています。これは霊魂に足をとられる子供の悲鳴です。ですが安心してください。子供達は修行に長けた大人の監督の下この修行を行っています。またウキワと呼ばれる安全器具をつけています。これはビニールで作られ、内部に空気を含ませることができるドーナツ型の器具です。このドーナツ型のことを数学でトーラスといいます。この形には一度捕らわれると出口がなくなる性質があり、霊魂を封じる力があります。さすが科学大国ニッポンですね。このように位相幾何と霊魂の性質を利用した安全器具を用いて日本人は苦行を行います。

 

皆様、お盆の過ごし方を少しは理解いただけたでしょうか。 お盆休みといえども日本人にとっては決して休暇ではありません。大切な修行の期間です。今年はどのような修行にしよう、と多くの日本人は半年以上前から計画を練ります。ぜひ皆様もこのお盆がよりよい修行になるようがんばってください。また諸外国から観光にいらした皆様もこの日本の盆修行を体験してみてはいかがでしょうか。きっとよい功徳が得られることでしょう。

 

Have a nice bon!